本を読みたいのに時間がないときは、30分や1時間の空きを待たなくても大丈夫です。5分だけ本を読む。次に戻りやすいところで終える。手がふさがっていても、話を追う余裕があるときは音声で聴く。この3つから、今日できそうな一つを選べます。
紙の本、電子書籍、オーディオブックのどれかに決める必要もありません。昼休みは紙で読み、洗濯物を畳む間は音声で続きを楽しむように、生活の場面に合わせて替えてかまいません。
「読めないのは意志が弱いから」と決めなくていい
文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」では、読書量が以前より減ったと答えた人は69.1%でした。その人たちが挙げた理由は、情報機器に時間を取られることが43.6%、仕事や勉強が忙しく読む時間がないことが38.9%などです。
これは全国16歳以上3,559人の回答をまとめた調査で、すべての人に同じ理由が当てはまるわけではありません。それでも、読書の時間を取りにくい人が自分だけではないと分かります。詳しい条件と結果は、文化庁の調査資料で確認できます。
まずは一日の予定を大きく変えるより、「目は空いているか」「手は空いているか」「話を追える余裕はあるか」を見ます。疲れていて内容が入ってこない日は、読まない選択も残しておきます。
方法1:5分で終わってもよい本を開く
まとまった時間ができるまで待つと、読む日はなかなか来ません。昼休みの最後や、待ち合わせの前に座って過ごす時間など、本を開ける5分を一つ探します。
5分で一章を読み切る必要はありません。紙の本なら数ページ、電子書籍なら次の区切りまでで終えて大丈夫です。ページ数を目標にせず、「今日は本を開いた」で終えると、短い空き時間にも合わせられます。
最初から難しい本を選ぶ必要もありません。読みかけの小説、短いエッセイ、以前好きだった本など、続きを知りたい一冊があれば十分です。
5分の時間を作れても集中が続かないときは、読書に集中できないときの切り替え方も参考になります。
方法2:次に戻る場所を決めて終える
短い時間の読書で困りやすいのは、次に開いたときに「どこまで読んだっけ」となることです。終わる前に、紙の本ならしおりを挟み、電子書籍なら今の位置を確かめます。
話が複雑なら、「主人公が駅に着いたところ」「次は第3章から」のように一行だけ残します。詳しい感想を書くためではなく、次の自分へ渡す目印です。
きりのよい場所まで進めない日もあります。途中で止めたことを失敗にせず、戻る場所が分かれば、その日の読書はそこで終わりです。
読書を続ける時間や一冊の決め方は、1日10分の読書習慣の記事でも紹介しています。
方法3:本を開かずに、音声で聴く
本を開けない理由が「手がふさがっている」ことなら、オーディオブックも候補になります。洗濯物を畳むような慣れた家事、座って過ごす電車、自宅で休む時間なら、朗読を聴けることがあります。
Audibleの公式のリスニング方法でも、日々の用事、通勤・通学、自宅でくつろぐ時間などが利用場面として紹介されています。ただし、音声に替えれば必ず内容が頭に入るわけではありません。考えることが多い作業や周囲への注意が必要な場面では、再生を止めます。
図表を見たい本、何度も前へ戻りたい本、線を引きたい本は、紙や電子書籍のほうが使いやすいこともあります。音声が自分の生活に合うか迷ったら、オーディオブックが向く場面と向かない場面から確かめられます。
今日の一枠は、どう選ぶ?
次の表から、今の生活に近い行を一つ選んでみてください。どれにも合わなければ、今日は読まない選択もできます。
| 今日の状況 | 選べる方法 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 5分ほど座れて、目も手も空く | 紙の本か電子書籍で読む | 読みかけの本を開く |
| 時間が細切れで、前の内容を忘れやすい | 戻る場所を決めて終える | しおりか一行メモを残す |
| 手はふさがるが、話を追う余裕はある | 音声で聴く | 興味のある一冊を試聴する |
| 疲れていて、内容が入りにくい | 読まない | 休んで別の日に回す |
音声で聴く場面が一つ見つかり、最初の本に迷ったら、初めて聴くオーディオブックの選び方へ進めます。まだ紙で読みたいなら、手元の一冊を見える場所へ置くだけでも準備になります。
手元の本を開く前に次の本が気になるときは、新しい1冊を買う前の3つの確認で、読む場面と手持ちの本を見直せます。
読書を生活に戻す日は、たくさん読めた日だけではありません。5分で閉じても、途中で止めても、別の方法へ替えても大丈夫。今日の暮らしに合う読み方を一つ見つけておけば、次に読むときも選びやすくなります。


